トイレの水漏れはあらゆる箇所で起こる可能性がありますが、中には止水栓の部分から水漏れが起こるケースもあります。
止水栓からの水漏れは修理方法が一見難しそうですが、実はさほど難しい作業ではなく、プロでなくても問題なく行うことができます。
今回は、トイレの止水栓の水漏れを修理する方法についてお教えいたします。
まずはトイレの止水栓の水漏れに気付いた時、最初にすべき応急処置についてご紹介します。
はじめに、水漏れしている箇所がどこなのかを正しく確認しましょう。
漏れている水の量が多いと箇所の特定も容易かもしれませんが、少量の水漏れの場合には特定するのにも苦労することがあります。
そのような時は、まずタオルで給水管の表面をくまなく拭き取り、その後で改めて濡れている箇所を探すと見つけやすいです。
給水管の上部は乾いていて下部だけ濡れている場合、濡れ始めている場所が水漏れ箇所である可能性が高いです。
水漏れしている箇所が特定できたら、水道の元栓を閉めます。
確実に元栓を閉めて、水が止まっていることを確認してから、止水栓の水漏れ修理を行ってください。
通常、トイレの修理の際には止水栓を閉めることで新たな水漏れを起こさないようにすることができますが、止水栓からの水漏れの場合には、さらに上流である元栓から閉める必要があるのです。
水道の元栓は普段触ることがないので、どこにあるのかわからない方もいるかと思います。
主に次の場所にあることが多いので、確認してみましょう。
・戸建て住宅
基本的には、屋外の「止水栓 メーター」「量水器」と書かれたメーターボックスの中にあります。
メーターを開けると水道メーターがあり、その隣にあるバルブが元栓です。
・集合住宅
玄関を出てすぐ横の、金属製の扉の中にあります。
扉を開けると水道メーターがあり、そこに元栓がついています。
なお集合住宅でも、戸建て住宅と同じく地面に埋まっていることがあります。
元栓が見当たらなければ、管理会社や管理人に確認しましょう。
トイレの止水栓からの水漏れ原因はいくつかありますが、ここでは主な原因を2つ挙げて説明します。
・パッキンの劣化
トイレの止水栓のパッキンには2種類あります。
コマパッキンと呼ばれるトイレに給水するものと、三角パッキンと呼ばれる止水栓から水漏れを防ぐものです。
これらは10年を目安に劣化するので、パッキンを新しいものに換えると水漏れがなおることがあります。
・ナットの緩み
止水栓を閉めたら水漏れが止まったという時は、止水栓とホースをつなぐナットが緩み、水漏れを起こしていることが考えられます。
レンチを使ってナットを締めるだけで、水漏れが直る可能性もあります。
そのためトイレの止水栓の水漏れを発見したら、まずはナットを締めて様子を見てみると良いでしょう。
トイレの止水栓は、その形状によって大きく2つのタイプに分けることができます。
タイプによって修理方法も多少異なるので、ご自宅のトイレの止水栓はどのタイプなのかを事前に確認しましょう。
多くのトイレで見られるのが、マイナスタイプと呼ばれる形状の止水栓です。
これはマイナスドライバーで回せるような一文字のくぼみが、給水管の表面から突起するような形で付いているものになります。
時計回りに回すと閉めることができ、普段は反対に反時計回りに回されて開いている状態になっているはずです。
同じマイナスタイプの止水栓でも、トイレによっては突起するような形状になっていないものも存在します。
通常のマイナスタイプの止水栓とは異なって、表面上に一文字のくぼみがあり、そこにマイナスドライバーを挿し込んで時計回りに回すことで、閉めることができるようになっています。
少数ではありますが、給水管の途中にハンドルのようなものが付いていて、それを手で回して開閉することのできるタイプの止水栓も存在します。これをハンドルタイプと呼びます。
形状としては屋外にある水道の元栓などにおいてよく見られるものですが、トイレの止水栓でもこの形状になっているものがあるのです。 マイナスタイプと同じく時計回りに回すことで閉めることができます。
元栓を閉めて止水栓のタイプを確認したら、いよいよ修理開始です。
ただし自分でできないと判断したら、すぐに作業を中断してプロに任せましょう。
トイレの止水栓の水漏れ修理に必要な工具をそろえましょう。
ほとんどご家庭にあるもので済みますが、無くてもホームセンターなどで買ったり、別の工具で代用したりできます。
・モンキーレンチ
ナットやボルトの開け閉めに必ず使います。
モンキーレンチはボルトの頭を挟む部分が調整できるので、さまざまなサイズの部品の取り外しに便利です。
あらゆる作業に使えるので、持っていない方はこれを機に買うことをおすすめします。
・ドライバー
基本的には、止水栓を開け閉めするためのマイナスドライバーがあれば十分です。
さらに細かい部品の取り外しが必要になった時のために、さまざまな大きさの精密ドライバーがあると便利です。
・新たな部品
パッキンなどの部品の劣化が原因だった時は、新たな部品が必要です。
まずは各部品を取り外して、状態や型番を確認してから新しいものを購入しましょう。
・タオルとバケツ
トイレのパーツを分解していると、パーツの中に溜まった水が垂れてきます。
タオルやバケツなど、床を濡らさないように備えておきましょう
・ウォーターポンププライヤー トイレの部品は基本的に上記の工具で取り外し可能ですが、固い部品やレンチでは掴めない部品はウォーターポンププライヤーで対応しましょう。 購入できない場合は、ペンチで代用しても構いません。
トイレの止水栓から水漏れがある場合、原因として最も多いのがパッキンの劣化です。
パッキンの交換方法は、次の通りです。
1.ナットを外す
モンキーレンチを使ってナットを取り外します。
長年外していないと固くなってしまっていることがありますが、無理に外そうとして給水管自体が破損してしまう可能性もあるため、どうしても外せない場合は専門業者へ相談することをおすすめします。
2.三角パッキンを交換する
ナットを外したら三角パッキンがあります。
三角パッキンが劣化していれば、新しいものと交換しましょう。
3.コマパッキンを交換する
さらに内部のコマパッキンを確認するため、水道にはまっているスピンドルを外します。
スピンドルは手で外せますが、固い時はウォーターポンププライヤーを使いましょう。
中のコマパッキンも劣化していれば、こちらも交換しましょう。
マイナスタイプではなくハンドルタイプの止水栓の場合でも、基本的に交換方法は一緒です。
1.カラービスを取り外す
三角ハンドルの上部中央にあるカラービスを、ウォーターポンププライヤーで取り外します。
カラービスを外せば、ハンドルは手で上に引き抜くことができます。
2.パッキン押さえを外す
ハンドルの真下にあるパッキン押さえを、ウォーターポンププライヤーで取り外します。
3.三角パッキンを交換する
パッキン押さえの下に三角パッキンがあるので、それを新しいものと換えます。
三角パッキンが見当たらない時は、パッキン押さえの中に付いている可能性があるので、見てみましょう。
4.コマパッキンを交換する
マイナスタイプの止水栓で説明した方法と同じように、コマパッキンの劣化も確認し、必要があれば換えます。
止水栓の調節部分から水漏れがある場合、修理方法としてはその部分を交換するというのが一般的です。
止水栓の調節部分のみを交換するという手段と、止水栓そのものを交換するという手段があり、どちらでも水漏れを解消することができます。
おすすめなのは、調節部分のみを換える手段です。止水栓そのものを交換するとなると、給水管へダメージを与えてしまう可能性が高くなるためです。
今回は、止水栓の調整部のみを交換する方法をご紹介します。
1.止水栓の調節部分を、モンキーレンチで取り外します。
2.新しい調整部分に交換します。
部品は、インターネットやホームセンターで買うことができます。
ついでにパッキンの状態を確認し、必要であれば換えておくとよいでしょう。
ウォシュレットがあるタイプのトイレでは、分岐栓が取り付けられています。
ここからの水漏れもパッキンの劣化が主な原因なので、パッキン交換の方法を説明します。
基本的には、給水管の接続部分でのパッキン交換と同じ流れです。
1.モンキーレンチを使って、ナットを外します。
2.パッキンを新しいものに入れ替えます。
3.ナットを緩みがないように締め直します。
原因を探るうちに、止水栓ではなく水道の元栓が水漏れしていることが判明するかもしれません。
元栓の水漏れも、部品の経年劣化によるものが多いです。
元栓から水漏れしている時は、残念ながら水道修理業者では対応できないことが多いです。
なぜなら、元栓のトラブル対応は水道局の管轄だからです。
そのため元栓から水漏れしている時は、最寄りの水道局に連絡をしましょう。
トイレの止水栓の水漏れは、パッキンの交換やナットを締めることで解決することがあります。
しかし「上記の方法を試しても直らなかった」「部品が多くて自分では修理できない」といったケースもあると思います。
自力での修理が難しいと思ったら、すぐに作業を中止してプロに任せることをおすすめします。
水道救急センターはTOTO・LIXIL・INAXといったあらゆるメーカーの取扱店なので、ご家庭のトイレのトラブルに幅広く対応することができます。
トイレの止水栓のトラブルでお困りの方は、ぜひ水道救急センターまでお問い合わせください。
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