
今やウォシュレットは生活必需品として広く普及し、外出先でも当たり前のように設置されているほど、日常生活に欠かせない存在となっています。そのため、故障が発生すると日常生活の質に大きな支障をきたすことになります。
いざというときに慌てないよう、ウォシュレットが故障した際の対処方法を知っておきましょう。
| <この記事でわかること一覧> ウォシュレットの寿命 ウォシュレットの故障を疑うべき状況 自分で直せるウォシュレットの症状 ウォシュレットを交換する前にチェックする項目 ウォシュレットを取り外す手順 ウォシュレットを取り付ける手順 ウォシュレットを交換する際の費用相場 ウォシュレットの選び方 ウォシュレットの故障を防ぐためには |
ウォシュレット(温水洗浄便座)は、1967年に国内に初めて登場して以降、日本独自の清潔文化と共に発展を遂げ、2016年には普及率が80%を超える国民的な設備となりました。
水洗トイレのある家庭では、ほぼ標準装備として考えられるまでに普及が進んでいます。
しかしその反面、長期使用による経年劣化や、故障を認識しながらも修理せずに使用し続けるケースが増加しており、漏電や火災などの事故につながるリスクが社会問題として注目されています。
ウォシュレットを正しく使うために、寿命や交換時期を知っておきましょう。
ウォシュレットは、家庭に欠かせない電化製品として普及していますが、他の電化製品同様に経年劣化は避けられません。建具などの住宅設備と比較すると製品寿命は短く、一般的に7年から10年程度での交換が推奨されています。
また、注意したいのはメーカーの部品保有期間が製造終了後約10年間と定められており、この期間を超えると故障時の修理に必要な部品の入手が困難になることです。
製品の状態を定期的に確認し、適切な時期での交換を検討しましょう。
7年以上経過した製品や異常が感じられる場合には、早めにメーカーによる専門点検を受けることをおすすめします。メーカーの点検を受けることで、製品の状態を正確に診断できます。必要な部品の在庫が残っている場合には、交換修理により性能を回復させることが可能です。
定期的な点検は製品の寿命を延ばせるだけでなく、故障による事故のリスクを未然に防げます。
毎日何度も使うウォシュレットは家電製品です。 そのため、故障や不具合を起こすことも当然あります。
しかし、その症状がウォシュレットの故障なのか、一時的な不具合なのかの判断は難しいところです。
そこで、ウォシュレットの故障を疑うべき状況とはどのようなものがあるのか見ていきましょう。
ノズルやリモコン、ウォシュレット脇などから水漏れしている場合はウォシュレットの故障です。 トイレの止水栓を閉め、ウォシュレットの電源を抜いてから修理業者に依頼しましょう。
ただし、ノズルからの水漏れの場合は、先にノズルに汚れがつまっていないかどうかを確認してください。
ウォシュレットのリモコンを押してもノズルが出ない、シャワーが出ないなどの症状が出た場合は、以下の5つを確認してください。
これらに問題がないようなら、ウォシュレットの故障を疑いましょう。
便座が温まらないと感じたら、まずは電源が抜かれていないか確かめましょう。
特に気温の高い夏場は故障に気付きにくいため、意図せず長期間故障したまま使用してしまうケースが少なくありません。便座温度の設定を確認しても温まらない場合は、製品の不具合を疑うことが大切です。
最初便座が冷たく感じても、しばらくすると温かくなる現象は、節電機能が作動している状態かもしれません。節電機能は、使用頻度の低い時間帯に自動的に便座温度を下げることで省エネができます。
座ると約1〜2分で通常の温度に戻り、さらに使用パターンを学習して、次週の同じ時間帯には事前に温度を調整する賢い仕組みとなっています。
節電機能が不要な場合は、「節電ボタン」を押すことで設定を解除でき、「節電ランプ」も消灯します。
また、便座カバーを使用すると、ボタン部分が便器と接触して便座が割れる可能性があります。さらにカバーが着座センサーを覆ってしまうと、センサーが常に反応状態となって誤作動の原因となります。安全な使用のため、便座カバーの使用は避けましょう。
またメーカーの機種によって異なるため以下のポイントをチェックしてみましょう。
【TOTOの場合】
・便座に浅く座っていないか
【INAXの場合】
・着座センサーが汚れていないか
【LIXILの場合】
・低温やけど防止のための便座ヒーターオートOFF機能を使用していないか
・着座センサーが汚れていないか
【Panasonicの場合】
・「8時間切」のタイマーが設定されていないか
・瞬間暖房便座の場合は、入室直後ではないかどうか
これらのポイントに問題がないようでしたら、ウォシュレットの故障の可能性があります。
水の温度調整ができないときは、電源プラグを差し直します。
そして、電源プラグについている漏電保護ボタン(緑色の場合が多いです)を押しましょう。
それでも改善されない場合は、以下のポイントを確かめてください。
この3つのポイントに問題がないようなら、温水を作るサーモスタットの故障や、電熱線の断線が考えられます。
ウォシュレットの故障を疑うべき状況だとわかったら、まずはトイレの止水栓を閉めて、ウォシュレットの電源を抜いてください。
以下のような状況の場合は、自分でも簡単に対応できます。
この2つの状況に該当しない場合は、ウォシュレットの故障の可能性が高いため、迷わずに修理業者に依頼してください。
ウォシュレットの故障を疑った場合でも、該当箇所に汚れがつまっている場合は、取り除けば正常に動くことがあります。
特にノズルやリモコンなどに汚れが付着しているときは、誤作動を起こすことがあるので、まずは拭き掃除をしてください。
ただし、拭き掃除で直らない場合は故障が考えられるため、部品の交換などが必要な場合もあります。
部品の交換となると素人での修理は不可能なため、必ず修理業者に依頼してください。
「ウォシュレットの故障を疑うべき状況」の解説でも記載したように、各種設定が違うだけで故障と思い込んでいた場合は、自分で直せます。
ただし、それぞれのスイッチの場所などは機種により違うので、お手持ちの取扱説明書を参考にしてください。
設定を確認しても症状が直らなければ、ウォシュレットの故障が原因と考えられます。その際は専門の修理業者に依頼しましょう。
ウォシュレットを自力で交換する前に、下記のポイントをチェックしてください。
電源コンセントがあるかどうかの確認が、温水洗浄便座を設置する際の第一歩となります。電化製品である温水洗浄便座は、電源プラグを差し込むコンセントがなければ使えません。
なお、コンセントは便器の左側に設置されていることがほとんどです。また、水まわりの安全性を考慮し、アース線の差し込み口がついているかどうかも確認しましょう。
アースは漏電時の感電事故を防ぐ安全設備です。コンセントが設置されていない場合は、有資格の電気工事士による増設工事が必要となるため、専門業者へ依頼します。
温水洗浄便座を購入する前に、自宅トイレのサイズを正確に測定することが重要です。便器のタイプはレギュラータイプとエロンゲートタイプの2種類があります。
| トイレの種類 | 開口部の長さ | 便器の長さ |
|---|---|---|
| レギュラータイプ | 320~350mm | 440mm |
| エロンゲートタイプ | 355~380mm | 470mm |
メジャーで実測し、適合するサイズの商品を選択することで、取り付け後のトラブルを防げます。
温水洗浄便座の設置には本体の大きさだけでなく、配管や電気コードのための余裕スペースも必要となります。特に便器と壁との距離、便器の横幅、また便器後方のスペースを実測することが大切です。
ドアの開閉や人の動線を妨げないよう、設置後でも空間に余裕があるかを考慮しましょう。適切なスペースがない場合、使用時の不便さだけでなく、メンテナンス時の作業にも影響が出る可能性があります。
基本的な工具としては下記の道具を用いて交換します。
また、作業をよりスムーズに行うためには、モンキーレンチやウォータープライヤーなどの補助工具も用意しておくと便利です。これらの工具をあらかじめ準備することで、交換作業をスムーズに進められます。
ホームセンターやインターネットでも販売しているので、購入するか検討してください。
まずは今使用しているウォシュレットを取り外す作業を行います。流れは以下の通りです。それぞれ詳しく見ていきましょう。
トイレの作業を始める前に、タンクへの給水管に付いている止水栓を閉めます。止水栓が回らなくなるまで右に回して完全に閉めるのがポイントです。
この際、止水栓を回した回数をメモしておくと、作業完了後に水の勢いを元の状態に戻せます。
止水栓を閉めたら、トイレのレバーを操作して水を流し、タンクと給水管内の残水を排出します。
温水洗浄便座を外す際は、安全のため最初に手や周辺が完全に乾いているかを確認することが大切です。作業を始める前に、便座のコンセントをコンセント差込口からしっかりと抜きます。
次に、アース線の作業に移ります。緑色のアース線は、プラスドライバーを使って慎重に取り外します。
最後はアースネジを時計回り(右回り)にしっかりと締めて、作業を完了させましょう。
分岐金具は、給水管や止水栓、ウォシュレット本体をつなぐ部品です。取り外し作業では、この分岐金具と給水管(手洗い器付きタンクの場合)の両方を外す要があります。
これらの部品はナットで固定されているため、スパナを使って反時計回りに回転させることで取り外しが可能です。給水管を外す際は、トイレタンク内部の金具を片手でしっかりと固定しながら作業します。
なお、給水管内に残っている水が漏れ出す可能性があるため、事前にバケツや雑巾を下に設置しておくと安心です。
また、給水管の内部には黒いパッキンと網目状のごみ取りフィルターが組み込まれています。同じ給水管を再利用する予定がある場合は、このフィルターに溜まったごみを取り除くことをおすすめします。ただし、部品そのものは取り外さないよう注意してください。
温水洗浄便座は便器裏側のボルトで固定されており、反時計回りに回転させることで取り外せます。ただし、製品の種類によっては、専用の工具が必要になる場合もあるため注意が必要です。
特に便座のフタと便座がそれぞれ分かれているタイプでは、フタ部分に取付ピンや特殊な取り付け具が設置されていることがあります。
そのため、取付ボルトを外す前に、これらの部品の有無をしっかりと確認してから作業を進めることが大切です。
次はウォシュレットを取り付ける方法を紹介します。新しく購入したウォシュレットには取扱説明書が添付されているので、必ず読みながら作業を行います。
トイレのベースプレートは、便座をしっかりと固定するために必要な部品で、耐久性を考慮して金属板と金属ボルトで補強された構造になっています。
ネジを締めるときは、適度な力加減で固定することが大切です。ネジ山が潰れてしまうと、後の調整や取り外しが困難になる可能性があるため、丁寧な作業を心がけましょう。
止水栓をしっかりと固定しながら、ウォシュレット本体に付属している分岐金具を取り付けます。
その際は、分岐金具と止水栓の間に必ず専用のパッキンを装着してください。パッキンは水漏れを防ぐ重要な部品なので、正しい位置に確実に設置することが大切です。
ウォシュレットの取り付けの最終段階として、付属の給水ホースを分岐金具にしっかりと接続し、本体をベースプレートに確実に差し込みます。壁リモコンタイプの場合は、リモコンを壁面に取り付け、電源コンセントを差し込んでください。
その後、実際に試運転を行って完了です。試運転では電源が入ることを確認し、水が正常に供給されているか、水漏れはないか、温水の温度は適切か、ノズルの動作は正常か、各機能が正しく作動するかなど、すべての機能を丁寧にチェックします。
不具合が見つかった場合は、取り付け箇所を再度確認し、必要に応じて調整を行います。
ウォシュレットを交換する際の費用相場の目安は以下の通りです。
<自分でDIYする場合>
| 費用内容 | 料金相場 |
|---|---|
| 新しいウォシュレット | 30,000円〜60,000円 |
| 工具 | 無料〜3,000円 |
<水道業者に依頼する場合>
| 費用内容 | 料金相場 |
|---|---|
| 基本料金 | 約7,000円 |
| 作業料金 | 約13,000円 |
| 新しいウォシュレット | 30,000円〜60,000円 |
ウォシュレットの交換は自分で行うほうが安くなりますが、電気と水を扱う作業のため、安全面での注意が必要です。特にDIY初心者の方は、専門知識や経験不足による事故やトラブルを避けるため、水道業者に依頼することをおすすめします。
水道救急センターでは、初めて利用する方の場合、基本料金5,500円が無料になるお得な特典があります。実際の費用は作業料金8,000円に必要な部品代のみです。作業の難しさや安全性を考慮すると、プロの技術者に依頼することで安心して交換作業を完了させられるでしょう。
ウォシュレットの交換費用を効率的に抑えるには、製品選びがポイントです。例えば、既存のウォシュレットと同じメーカーや同じシリーズの製品を選ぶことで、取り付け金具や配管が流用できる可能性が高くなり、部品代を節約できます。また、高機能な最新モデルにこだわらず、基本的な機能に絞った機種を選ぶことも、コスト削減の賢い方法です。
ウォシュレットは基本的に他社製の便器にも取り付けが可能な設計になっていますが、同じメーカーの製品を選ぶメリットがあります。特に適合性の面で、同一メーカーの製品は便器との相性が最も良く、取り付けもスムーズで安定した使用が期待できます。
注意が必要なのは、自動洗浄機能やリモコン便器洗浄といった高度な機能を持つモデルです。これらの機能を使用するには、タンク内部に専用の部材を設置する必要がありますが、タンクの内部構造やパーツは各メーカーで異なるため、違う組み合わせでは対応できないことが多くなります。
つまり確実な取り付けと全機能の活用を考えると、既存の便器と同じメーカーのウォシュレットを選択することが、最も安全で確実な方法といえます。
ウォシュレットは価格帯によって機能やグレードが異なります。基本的な温水洗浄機能だけの製品なら2〜3万円台から購入できます。一方、自動開閉や自動洗浄、脱臭機能などの高機能を備えたモデルは10万円前後の価格帯です。
予算に合わせた選び方のポイントとして、まず自分や家族が本当に必要とする搭載機能を見極めることが大切です。
例えば基本的な洗浄機能だけでよければ、エントリーモデルで十分満足できるでしょう。また、暖房便座やノズル洗浄といった比較的シンプルな機能でも、日常的な使用には十分な快適さを得られます。
さらに、型落ち品やキャンペーン時期を狙って購入することで、より高機能なモデルでも予算内で購入できる可能性があります。ただし、古いモデルは部品の供給に不安が残るため、2〜3年程度の型落ち品を選ぶのがおすすめです。
ウォシュレットの機能は基本機能とオプション機能に分かれます。基本機能には温水洗浄、暖房便座、脱臭などが含まれ、日常的に使用する機能です。特に温水洗浄の水圧調整や洗浄位置の調整機能は、快適な使用感に直結するため、重視して選びたいポイントです。
オプション機能としては、便座の自動開閉、自動洗浄、節電機能、ノズル除菌、乾燥機能などがあります。これらは便利な機能ですが、必ずしも必要ではありません。例えば、自動開閉機能は高齢者や小さな子供がいる家庭では便利ですが、通常の使用では手動で十分対応できます。
自分のライフスタイルや家族構成に合わせて、本当に必要な機能を見極めるようにしましょう。
ウォシュレットは瞬間(連続出湯)式と貯湯式の2つに分かれています。それぞれの特徴を見ていきましょう。
| 特徴 | おすすめポイント | |
|---|---|---|
| 瞬間式 | ・温水ヒーター搭載で瞬間的にお湯を吐水できる ・壁リモコンのみ |
・節電が可能 ・初期費用はかかるがランニングコストの面でお得になる |
| 貯湯式 | ・ウォシュレット内に貯湯タンクが内蔵されているタイプ ・設定温度に合わせて吐水する ・使用する頻度が多くなると水になってしまうことがある |
・値段が安い ・袖リモコン・壁リモコンが選択できる |
瞬間式ウォシュレットは、使いたい分だけ水を温める仕組みを採用しているため、常時保温する必要がある貯湯式と比べて、電気代を抑えられます。
さらに瞬間式は機能面でも優れており、自動開閉機能やノズルの自動洗浄、温風乾燥、オート節電、脱臭、除菌フィルターなど、多彩な機能を搭載しているのが特徴です。
これらの機能は便利さだけでなく、トイレの衛生管理や掃除の手間を減らし、節電効果も得られます。
特に自動洗浄機能や除菌フィルターは衛生面での安心感を高め、オート節電機能は使用頻度に応じて賢く節電してくれるため、長期的な視点でも経済的です。
ウォシュレットには電気が通っており、細かい部品もたくさんあります。
特に水漏れの場合は漏電や感電、火災につながりやすく、素人が修理をするのは危険です。
実際、過去に素人が修理をしたため火災を起こしてしまった事故があり、メーカーが一般向けには部品の提供をしていないということもあります。
万一この部分が故障している場合は、素人がどんなに頑張っても直すことはできません。
ウォシュレットのむやみな修理は事故を起こす危険があるため、やめましょう。
ウォシュレットは電化製品でありながら、水まわりと電気を扱う精密機器で、長く快適に使用するためには、定期的なお手入れが大切です。特に注意が必要なのがノズルの掃除です。使用頻度が高いにもかかわらず、つい見落としがちになります。
また、電源まわりやリモコン付近は目立たないところにあるため、ホコリが徐々に蓄積し故障の原因となります。定期的な点検と掃除を心がけることで、トラブルを未然に防ぎ、製品の寿命を延ばせるでしょう。
セルフチェックでは以下の確認を行ってください。
ウォシュレットの故障を防ぐには、トイレの温度と湿度の管理も大切です。
特に、夏場に長期間トイレを使わない場合は、常に換気ができる状態にし、凍結の恐れがある場合は、水抜き対策をしましょう。
水抜きのやりかたは、トイレの種類によって違いますので、お手持ちの取扱説明書で確認してください。
また、ウォシュレットの水が止まらなくなってしまった際の対処法を下記で解説しているので、併せて参考にしてください。
ウォシュレットの故障を放置すると漏電や感電、火災などにつながる恐れがあり、大変危険です。
自己判断での修理は危険を伴うため、修理業者に任せることが安全です。
また、早く対応したほうが深刻な故障を防げる可能性が高くなります。
故障なのかどうかわからない場合でも、まずは修理業者に確認してもらうようにしましょう。
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またお見積もりやキャンセル料、出張料はかかりません。ウォシュレットの交換だけではなく、リフォームや水漏れ対応なども可能なので、ぜひ一度ご連絡ください。
株式会社 ライフサポート 水道救急センター
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