水漏れは、トイレ周りのトラブルの中でもかなり多い症状です。
特に、使用開始から10年以上経過しているトイレで水漏れは起こりやすく、そのほとんどがパッキンの劣化が原因で起こっています。
パッキンとは、給水管などの管をつなぎ合わせる箇所に挟まれたゴムのことです。
パッキンはゴム製なので、トイレの配管類よりも早く寿命を迎えます。
そのため、トイレで水漏れが起きたらまず、パッキンを疑うと良いでしょう。
みなさんも経験があるかもしれませんが、給水管や止水栓からポタポタと水が垂れる、または水を流すと給水管から水が漏れてくるなどの症状は特に、パッキンが原因かもしれません。
次項からは、パッキンの劣化による水漏れが起こる箇所について見ていきましょう。
トイレで水漏れが起きやすいパッキンがある箇所は、一体どこなのでしょうか?
それは、給水管と止水栓です。
この辺りで水漏れが起きている場合は、まずパッキンを疑いましょう。
パッキンだけが劣化している場合は、自分で修理することもできます。
水漏れが続くと水道代が高くついてしまいますので、以下の方法を参考にして、放置することなく早急に対応してください。
もちろん業者に依頼する場合も早めに対処しましょう。
給水管とは、タンクに水を供給する配管のことです。
主に壁から出てきて止水栓があり、タンクや温水洗浄便座用の分岐水栓に繋がります。
また、給水管のパッキンは、2箇所に合計3つあるので、どこから水漏れしているかきちんと確認しましょう。
給水管のタンク側(タンクとの連結部分のナット)にはパッキンが2つ、給水管の止水栓側(止水栓の上部にあるナット部分)にはパッキンが1つ使われています。
止水栓は壁から出て、トイレタンクに繋がる給水管の途中についています。
一般的な形は、マイナスドライバーで回して使えるよう、マイナス形のくぼみがあるタイプです。
中にはハンドルタイプや突起の無いタイプもあります。
また、まれに止水栓が無いトイレもありますので、探しても無い場合は、止水栓以外のところで水漏れしているはずですので、よく確認してみてください。
また、止水栓から水漏れしている場合はパッキンだけではなく、水栓ケレップという部品も交換する必要があります。 以下で紹介する水漏れの対処方法を確認し、全ての部品を揃えるようにしましょう。
トイレの水漏れの際のパッキン交換に必要な道具として、以下のようなものが挙げられます。
この3つの道具を事前にホームセンターなどで用意し、作業に臨みましょう。なおモンキーレンチは1つでも作業可能ですが、2つあるとより便利です。
また、前述の通り止水栓のパッキンを交換する場合は、新品の水栓ケレップも用意しましょう。
トイレのパッキンは、使われているサイズがさまざまです。
そのため用意をする前に、使用しているトイレの取扱説明書などで型番やサイズを確認してください。
もしわからない場合はメーカーに問い合わせるか、パッキンを一度外して現物を持って、購入しに行きましょう。
パッキンは同じように見えて実は違いがあります。
間違ったパッキンを使用してしまうと再度水漏れが発生しますので、必ず同じものを使用してください。
パッキンの確認ができたら、ホームセンターや通信販売にて購入しましょう。
パッキンはたいていのものが、数百円で購入できます。
パッキン交換のみに限らず、トイレなどの水回りの修理を行う際には作業前に水道の元栓を閉めておく必要があります。
トイレの修理の場合、基本的にはトイレの止水栓を閉めることになります。
止水栓は、マイナスドライバーで時計回りに動かなくなるまで締めましょう。
この時に何回転させたか覚えておくと、修理後止水栓を開ける際にスムーズです。
また、ハンドルタイプは手で簡単に回せますが、突起の無いタイプの止水栓は、凹みにマイナスドライバーを差し込み、時計回りに締めましょう。
止水栓からの水漏れ修理の場合や、トイレの周辺に止水栓が見つからない場合には、家の水道の元栓を閉めるようにしましょう。
水道の元栓はハンドルタイプやつまみタイプなど種類がわかれますが、どちらにしても時計回りに回すことで元栓が締まります。
バルブが2つある場合は、両方とも締めましょう。
水道の元栓を閉めたら、トイレタンクの中の水を全て抜きましょう。
止水栓が閉まった状態でトイレのレバーを回し続けると、タンク内の水が全て流れていきます。
トイレの止水栓は、トイレタンクから壁に伸びる配管についていることがほとんどです。
ただし、前述の通り止水栓が無いタイプのトイレもありますので、注意してください。
一軒家の水道の元栓は、一般的に玄関または勝手口外の配管スペース、もしくはボックス内にありますが、駐車場などに埋められている場合もあります。
蓋には「量水器」または「止水栓メーター」などと書かれています。
マンションの場合は、玄関周辺にあるメーターボックス内にありますが、ガスメーターと一緒に入っているので、間違えないように注意してください。
また、他の家の元栓を締めてしまわないように、自分の家のものであることを確認してから作業しましょう。
ここからは、箇所別のパッキン交換の手順と方法をご説明します。
給水管には2つの接続部分があり、トイレタンク側と止水栓側にそれぞれナットで固定されています。その中に交換するパッキンがあります。モンキーレンチを使ってナットを外しましょう。
ナットを外すと、その中にストレーナーというフィルターが入っています。その両端にパッキンが取り付けられているため、これを取り出します。
取り出したストレーナーの両端についているパッキンを新品に交換していきます。ストレーナーは白く、その両端のパッキンは黒いため、分かりやすいです。古いパッキンは捨ててよいですが、ストレーナーは再度使うため、一緒に捨てないように注意しましょう。
新品のパッキンに交換したら、給水管を元の状態に復元します。取り外した時とは逆の手順で、それぞれ元に戻していきましょう。さらなる水漏れが起こらないよう、パッキンと給水管が隙間なく噛み合うようにします。この際、ナットはきつく閉め過ぎる必要はありませんが、ある程度しっかり閉める必要があります。
タンク側のパッキン交換の際にはその箇所のナットを外すだけで交換できますが、止水栓側の場合にはタンク側のナットも外さなくてはいけません。上と同様、モンキーレンチを使ってナットを緩めていきます。壁との幅が狭いなどでモンキーレンチがうまく使えない場合は、ウォーターポンプフライヤーを使いましょう。
ナットを外して給水管を分解すると、端にパッキンがついています。これを新品に交換します。止水栓側にはストレーナーはないため、そのままついているパッキンを交換していきましょう。
パッキンを交換したら、先ほど同様に給水管を元の状態に復元します。こちらも取り外した時と逆の手順で戻していきましょう。両端のナットがしっかり締まっていることを確認しておきます。
上の2つと同様、モンキーレンチまたはウォーターポンプフライヤーを使ってナットを外していきます。
ナットを外すと、コマスピンドルと呼ばれるジョイントが取り付けられています。ここには2つのパッキンがついており、これらを交換していくことになります。
水栓ケレップと呼ばれる、コマのような形をしたものにパッキンがついています。水栓ケレップは、これ自体を新品のものに交換します。古いものを抜き出して新品を挿し込むだけなので簡単です。
もう1つのパッキン、ナットを外した時に最初に見えるコマパッキンも新品に交換します。これまでと同様、古いパッキンを外して新品のパッキンを取り付けましょう。古いパッキンが固まって外れにくくなっていることがありますが、その場合には細いドライバーなどを使ってほじるようにすると、外すことができます。
2つのパッキンを交換したら、元に戻してナットを締めます。最後に止水栓を開け、水漏れがなくなっているか改めて確認しましょう。
以上の手順でパッキンを交換しても水漏れが止まらない場合は、3つの理由が考えられます。
・パッキンのサイズが違っていた
前述の通りパッキンは、違うサイズのものを使ってしまうと更なる水漏れの原因になってしまいます。
そのため、間違ったサイズのものを使用してしまった場合は、止水栓や水道の元栓を締め、再度購入してください。
しかし、10年以上経っているトイレの場合、部品の方も製造終了している可能性もありますので、互換性のある部品を探すか、修理業者に依頼するようにしましょう。
・締め付けが十分ではなかった
パッキンを交換したあとに、配管などを元に戻す際の締め付け具合が緩い場合は、当然水漏れが起きます。
しかし、締め付け具合はきつければ良いというものではありません。
なぜなら、固く締めすぎると圧力がかかり、管が破損してしまうことがあるからです。
そのため、締め付け具合は水漏れの状況を確認しつつ確かめるしかありませんので、難しいと感じた場合は修理業者に依頼する方が安心でしょう。
・管の内部にゴミや錆、傷などがある
パッキン交換後に組み立てる際、菅の内部も一緒に掃除をしてしまいましょう。
ゴミの場合は取り除けば終わりますが、錆や傷によって水漏れが起きている場合は取り変えるしかありません。
この場合も修理業者に依頼し、新品と交換してもらいましょう。
長年使用しているトイレでは、配管のあらゆるパッキンが劣化してしまっていることが多いです。
パッキンの劣化はトイレの水漏れの非常に多い原因になるため、劣化に気づいたら迅速に交換することが望ましいです。
パッキンが劣化しているか否かわからない場合は、パッキンを触ってみて、手が黒く汚れるようでしたら交換しましょう。
自分で交換する場合は、本記事を参考に行ってみてください。
重要なのは、止水栓か水道の元栓を締めることです。作業前に必ず行うようにしましょう。
また、万一パッキンのサイズが不明な場合や、製造中止になっている場合、自分で交換しても直らなかった場合は、修理業者に依頼するのが一番です。
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