トイレの水漏れの原因として特に多いのが、ボールタップの故障です。ボールタップはトイレタンクの内部にある部品で、タンクの中の水位を調整する重要度の高い部品です。このボールタップが故障してしまうと、水漏れや水が止まらないなどの不具合が起きてきます。今回は、トイレのボールタップの交換について詳しくお話ししていきます。
トイレのボールタップというものが一体どういったものなのか、よく知らないという人も多いかと思います。ボールタップがトイレでどのような仕組みでどのような役割を果たしているのかを理解すれば、故障の程度や交換の必要性の有無などがわかるようになるでしょう。ここではボールタップの役割や交換のタイミング、故障の例などを詳しくご説明します。
ボールタップはトイレタンクの中にある、球状の浮き玉がついているのが特徴の部品です。根元の部分はタンクの外の給水管に接続されています。トイレを流す際、レバーを引くとトイレタンクの中の鎖が持ち上げられ、その鎖につながっているフロートバルブが塞いでいた排水弁が開いて、タンク内の水が便器に流れ出ます。タンク内の水が一定量流れ出て少なくなると、フロートバルブが再び排水弁を塞ぎます。排水の際、タンク内の水位が下がるとボールタップの浮き玉が一緒に降りていきます。浮き玉が下がることでボールタップ内の弁が開き、タンクへの給水が始まります。浮き玉が元の位置まで戻るとボールタップ内の弁が再び閉じるようになっています。つまりボールタップはは、トイレタンク内の給水をコントロールする役割を果たしています。
トイレの使用年数は、およそ15年ほどとされています。しかし実際にはそうとは限らず、人によって交換のタイミングは違ってきます。故障などが起こったきっかけで交換することが多く、例えば浮き玉が割れたり、給水がされなくなったりした際などです。
レバーをひいていなくとも、タンク内に水が漏れている音がしている状態です。トイレタンクの蓋を開けて中を見ると、ボールタップから水が漏れていることがわかります。
トイレタンクの中で、水がずっと出続けている状態です。タンクの内部で浮き玉が上下して水の量を調節するという仕組みが異常をきたしているため、このような事態が起こります。
トイレの水が全く流れなくなってしまっている状態です。タンクの内部の水が空っぽになってしまっており、レバーを引いても水が出てきません。
今回紹介しているような一般的な、浮き玉がついているタイプのボールタップであれば、プロでなくとも交換することができます。ただし中には仕組みや形状の特殊なものなどもあり、そのようなものを交換する場合には業者への依頼が必要になります。
ボールタップの交換作業に必要な道具として、
などが挙げられます。ドライバーやモンキーレンチなどの工具類、ゴム手袋などは、ネットやホームセンターなどで揃えることができます。ボールタップはネットやホームセンターの他に、トイレメーカーの公式サイトなどでも販売していることがあります。注意点として、トイレの品番などをしっかり確認する必要があるということが挙げられます。類似品が多くあったり、古い型のトイレの場合には部品の販売がすでに終了していたりすることもあるため、ボールタップの購入の際には気をつけましょう。
作業中に水が出てきてしまっては大変なので、トイレの止水栓が閉まっていることを事前に確認しておきましょう。
トイレタンクの蓋は、上に持ち上げるだけで外せるタイプと、手洗い部分の管などを外す必要のあるタイプがあります。どちらにしてもそのほとんどが陶器製であるため、割ってしまわないように注意して扱いましょう。手洗い部分はナットで接合されている場合が多いため、ナットを回して取り外すことができます。
蓋を開けたら、まずはタンクの中にある水を抜きます。これは、作業をしやすくするためです。
ボールタップを取り外す際には、2つのナットを外します。タンクの外の給水管に付いている、小さなものとつば付きの少し大きなものです。それらをそれぞれモンキーレンチで取り外していきます。つば付きのナットを取り外したら、タンクの中からボールタップを引き抜くと取り外すことができます。
取り外す時と逆の手順で、新品のボールタップを取り付けていきます。もしボールタップの本体のみ、もしくは浮き玉のみを交換したいという場合、本体を取り外してそれぞれの部品を交換してから、再び取り付けます。
取り付け作業が完了したら止水栓を開いて、標準水位で水が止まるかどうか確認します。もし標準水位を上回ってしまったり、あるいは足りなかったりという場合には、浮き玉を回して水位を調節しましょう。
トイレのボールタップの故障はよくある事例で、トイレタンクが原因の水漏れの際にはまずチェックすべきポイントです。自分でも交換をすることが可能な箇所であるため、業者を呼ぶ必要もありません。作業は少し大変かもしれませんが、一度交換すれば数年~十数年ほどは使用することができるでしょう。
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